最初に書いておきますが、これは自分が受講しての感想であり、そのときの対処法です。
赤十字的にそれが正しくないこともあると思います。
また、これは2015年8月の段階の話であり、今年はガイドラインの変更があるということもあって、用語等が変わってくる可能性もあると思います。
ご了承ください。
3日目の午後より、実技検定と記述試験があります。
ここでは、実技である、出血時の止血法、三角巾による包帯法、同じく三角巾による骨折時の固定法の3点について書きます。
実技検定では、止血法3問と包帯法3問と固定法1問だったように記憶しています。
最初に、それぞれが何問出題されるか、配点と減点について説明されます。
午前中に行った模擬訓練で、運悪く心臓マッサージを10分くらいやる羽目になってしまい、かなりダメージがあって最初の説明の記憶が飛んでしまいっています。
覚えているのは、本結びの端の処理を怠るとマイナス1点だけ覚えています。(苦笑)
●止血法については、直接圧迫止血1問と間接圧迫止血2問。
・直接圧迫止血
実際にスキーのエッジでザックリと親指の側面を切ってしまい、9針縫ったのですが、119番をしたときに指示された方法でもあります。
赤十字より、三角巾2枚とガーゼ2枚の入った袋をもらうのですが、その中に入っているガーゼなんかでは全く足りません。
親指の側面という小さな部分ですが、手ぬぐい2枚がびっしょりになりました。
ということで、私はバディの止血部分に三角巾を当てました。(赤十字がどう判断するかは分かりませんが、三角巾にはそのような使い方もあります)
試験の際は「右上腕内側」「左前腕外側」等の指示があります。
【直接圧迫止血のポイント】
①患者の血を直接触ることが無いように手袋かビニール袋ごしに行う。
②下から持ち上げるように、手のひら全体を使って圧迫。
③試験では腕の前腕・上腕のどちらかなので、心臓より上に患部を持ち上げる。
※片膝立ちの姿勢をとる
を押さえておけば大丈夫です。
・間接圧迫止血
腕に関してはいくつかの止血点があるので、患部に一番近く心臓側の止血点を押さえることがポイントです。
片手で止血点を押さえ、もう一方で脈をとります。
試験では、監督官が脈が止まっているかを1人1人確認しに来ます。
【間接圧迫止血(腕)のポイント】
①基本的に片膝立ち。
②止血は親指の第1関節までで押さえるのではなく、親指全体を使うイメージ。
③血管をキチンと内部の骨に押し付けて圧迫・止血をする。
【裏ワザ】
バディの手の左右の脈の位置をしっかりと覚えておきましょう。
自分で探して、相手に伝えた方が、後々の自分の役にも立つと思います。
足に関しては、足の付け根しか止血点がありませんので、そこを押さえるだけです。
脈は足の裏にあるので、救護者が脈をとることはできません。
監督官は、足の裏の脈で止血の確認をします。
【間接圧迫止血(足)のポイント】
①傷病者は倒れていますので、患部の反対側に顔が見えるように片膝立ちで立ちます。(出来るだけ平行)
②片膝は、傷病者側の足を引く。(患者側の足の膝をつける)←体重を掛けやすい姿勢になる
③手の平の付け根を止血点に当てて、身体の重心を移動して垂直に押すことによって体重で止血点を押さえる。(腕力で押さえようとすると救助者の体力が消耗する)
【裏ワザ】
止血点を押さえても、確認がしにくいので、バディに止血された時の感覚を覚えてもらい、協力してもらうことが必要。
●包帯法3問
かなりの種類の中から出ますので、個々に例を挙げるのはやめておきます。
三角巾1枚を使うときには1分30秒以内、2枚を使うときには2分30秒以内という制限時間があります。
巻いた時の皺や張り、結び目の処理まで見られます。
【包帯法のポイント】
①その形を作るのではなく、患部に当てたガーゼを押さえるための包帯法の型であるという意識を持ちましょう。
②本結びは、結びと同時に解きも見られます。(私のときは緩かったですが、妻のときは厳しかったようです)
③結び目は、i)患部を避ける ii)原則として前側(あとで傷病者を寝かせることを考えて)
④末端は折り込みますが、時間が足りない場合には折込の減点は1点なので最後にしましょうという監督官からのアドバイスがありました。ともかく型を作ることが優先です。
⑤結び終わった後に、三角巾の辺の部分を巻き込んで、しっかりとテンションを作ることも重要です。(ガーゼを押さえることが目的という観点から)
【裏ワザ】
①30数年前と変わらず、三角巾はのちのちの仕上がりを考えたら折りが重要です。
1日目に頂いた三角巾は、洗濯をして糊を早く抜いた方が扱いやすくなります。
たたみ三角巾を手早く作ることを考え、頂角(90度部分)からの垂直二等分線に折り目を付けた方が楽です。(三角巾の折り方通りにすれば、折り目が付きます)
実技のときには、たたみ三角巾に掛ける時間は他の方よりも数秒多く時間を掛けました。しかし、しっかりとしたたたみ三角巾を作れば、後の作業は手早くできます。
三角の頂点部分が飛び出てしまうと、それだけで言われます。飛び出させないようにたたみ三角巾を作りましょう。
子供の頃に散々練習したからですが、三角巾1枚の包帯法では1分弱、2枚でも1分30秒強で完成させるので、周りの人は驚いていましたが、それにはたたみ三角巾をきっちり作ったからです。
私のバディは、最初は規定時間を越えていたのですが、私のやり方をしっかり見ていたようで、試験では1分強、2分弱くらいで完成させるほど早くなっていました。
②本結びは、解きも見られます。片側を引っ張って、結び目が抜けることを見られます。ところが、実際には上手くいかない場合もあります。そのときには、もう1方を引くと、最初で結び目が緩くなっているので規定通りの解き方ができます。
●固定法1問
固定法については、私たちは鎖骨の固定と足のアキレス腱の固定の2種類しかやらなかったので、それが出題範囲。
妻のときにはアキレス腱の方も出たようですが、私たちのときには私にもバディにも鎖骨の固定しか出ませんでした。
三角巾2枚は、それだけでアドレナリンが出てしまうので、みなさん苦戦しています。
1度混乱してしまうと時間が押してくるのでリカバリーも難しく、諦めた方も何人かいました。
【固定法(鎖骨)のポイント】
①たぶんいろいろな観点があると思いますが、私は胸への三角巾の当て方がすべてだと思っています。
例えば左鎖骨を折った場合には、左手を右の鎖骨の方で固定しますので、左ひじに堅結び(コブ)をつくるので頂点を持ってきて、残り底角の1辺を左手で押さえてもらうようにすると最初の型ができます。
【裏ワザ】
手を吊るす時に、30数年前には最初に頂角にコブを作り、そこに出来た袋部分ををひじに掛けるようにしていました。
年配の指導員に聞いたところ、「そのようなやり方もある」と、たいへん苦しそうな返答でした。
「赤十字ではこの方法を推奨しているので、この方法で教える」とも言っていました。(笑)
赤十字で習う方法では、吊るしが完成してから頂角に堅結びをつくるために、堅結びが作れずに抜けて、最初からやり直してタイムオーバーとなっている例もありました。
赤十字として減点対象になるのかは不明ですが、私は胸に三角巾を当てて形を作ったら、赤十字では次の手順である「下に垂れ下ったもう1つの底角を脇の下に入れる」の前に、ひじの部分にコブを作っています。
ただし、上腕の長さに個人差があるため、その調節もかねてコブがあとになったと思われるので、先にコブを作る場合にはバディ(傷病者)の体格を考えた判断が必要だと思います。