飽きもせずに真湯です。
昨日入ったとはいえ、妻の打ち身や捻挫は簡単に治るレベルではないので、今日も湯治です。
まあ、ともかくここの湯は熱いです。
先に入っていた人たちも「熱い熱い」と言いながら、一瞬入って困っている人がほとんど。
私は熱さに慣れてきてしまっているので、少し湯で身体を慣らしてドップリと入れるので驚いていました。
少しお話をして彼らが出て行ったあとは貸し切り♪
身体を洗っていると、観光客と思える若干偉そうな初老の方、次いで地元のおじいさんが入ってきました。
地元のおじいさんは明らかに好戦的で、入って来るなりに服を脱ぐ前に湯船に来て足を入れて湯の温度を確かめています。
そのおじいさんが服を脱いでいるあいだに、初老の方が湯にちょっと足を入れただけで水を全開に入れ始めました。
おじいさん怒る。
要約すると、身体が冷えて暑く感じることと、湯船の表面が熱いだけだから混ぜればあまり熱くない。
それだけのことをして、それでも熱いのなら水を入れる。
まあ、そんなことを言っていました。
偉そうな初老の方ですから、久しく頭ごなしに叱られたこともないのでしょう。
反論にもならないような反論を言ったあとは、湯船の横に体育座りをして、湯船から桶で湯をすくって身体に掛けるだけ。
おじいさんの方も悪かったと思ったようで、自分が入れるなと言った割には水を入れ続けていたのですが、女湯の方から奥さんと思える方が「出るよ~」と声がしたら無言のまま出て行ってしまいました。
その姿を見て、おじいさんが寂しそうに蛇口を閉じていました。
そんなタイミングで妻が「男湯はどう?」と話してきたので「こっちはいい感じに熱いよ」と答えると「こっちは水を入れすぎて温すぎ。まだ熱くならないからもうしばらく入る」と言い出したところでおじいさんの息が吹き返しました。
私に向かって、言い訳をするように「観光客は水を入れすぎる」ということを語り始めるので「震災以降はボイラーで温泉を沸かしているんですよね」と答えると、「そうなんだ」といろいろと話し始めました。
真湯の湯温が下がっているのは、地元の人たちでも源泉に、川の水が入っていると思っている人と、地下水が入り込んでいると思っている人がいるようです。
あとから入ってきた地元の人に、これだけ川が増水しているのに湯温が変わらないのだから地下水だと主張していたので、おじいさんは地下水が入りこんでいると思っているようです。
湯の花の質も変わってしまったとか、こんな温度でも地元民にとっては温いということを語るだけ語って出て行きました。
まあ、思慮もなく水を入れた初老の方も配慮が足りなかったと思います。
ただ、温泉をボイラーで焚いているという地元の事情が通りすがりの観光客に分かるわけもなく、そこを知らせないのはトラブルを増しているようにも思います。