ブログの中でワックスにこだわっていますが、実はそれとは矛盾する気持ちがあります。
きっかけは、ある年のゴールデンウィークを蔵王で過ごしていたときの話です。
昔は、GWでも大平コースを滑って上の台まで降りれたのですが、その年は中央とユートピアのみ。
中央に飽きてユートピアで滑っていたものの、コースは寄せ集めた雪で、降り口からしばらくはピステン幅分だけの状態でした。
ワックスにちょっと興味を持ち始めてマニュアル通りにワックスをしていた頃で、もちろんノットワックスなどは発売前。
緩斜面では黄砂につんのめりながら滑っていました。
滑っているは私たち夫婦と黄緑色のウェアーの人だけなのですが、この黄緑色の人がメチャクチャ上手いのです。
カービング第2期とでも言えばよいのでしょうか。
板はより幅が太くなり、滑り方も大きく変わってきた頃なのですが、この人は「これぞカービング」と見とれてしまうくらい綺麗でキレの良い滑りなのです。
ユートピアに飽きて中央に移ったところ、同じタイミングでその人も中央に移ってきたようです。
蔵王名物のぼくのうちデモがその人に声を掛けてやっと気がつきました。
上手いのは当たり前、当時雑誌などでも良くお見かけする、デモを引退して西日本のゲレンデの校長に就任したO元デモでした。(汗)
気がつくと、周りはデモと元デモがいっぱい!
純粋にオフで遊びに来ていたようで、雲の上の人の自由に滑る姿は本当によい勉強になりました。
長ーーーーーい前置きになりました。
あのレベルの人たちになると、黄砂なんかはほとんど関係ないように見えました。(本人たちにはやはり滑走感が足りないのかもしれませんが)
素人目にはスイスイと滑っていましたが、特別なことをしているようでもないのです。
某デモは、途中でスプレーワックスを塗ってましたし。
ほとんど一緒に滑っているO校長などは、条件は私と一緒なのに夕方になってもとくに手入れをしたわけでもなく滑り続けています。
身近な人では、私が敬愛する志賀がメインのKさんなどが「体軸」ということを言っていました。
この人も、板の手入れをしているところを見たことがないのですが、エキスパートのコブ斜だろうと、その下の緩斜だろうと、黄砂など関係無しにスイスイ滑っています。
つまり、気持ちよく滑るということは、きちんと板に乗るということではないのでしょうか。
この想いは、友人が春スキーで生死を彷徨うほどの大ケガをして以来、強く強くもっています。
フッ素(とくにノットワックス)の普及によって、ここ10年くらいの間に物理的に板が良く滑る状態にすることができるようになったと思います。
私ごときヘボが言うことでもないのですが、良く滑るということは、自分の滑りを誤魔化したり、未熟さを見落としたりする事でもあるのではないのでしょうか。
私がトップシーズンには純パラのみで滑っているのには、こんな理由もあるのです。
先週末より、いよいよYetiがオープンして0910シーズンが始まりました。
ケガのない楽しいシーズンがおくれるよう、お祈り申し上げます。