<龍馬伝>暗殺の黒幕は?第4部はミステリー 前半最終回の福山、香川、大森の涙は「本物の芝居」
(暗殺は)最終回。暗殺犯は京都見廻(みまわり)組だというのは大体分かっている。ドラマの焦点は、実行犯ではなくて、黒幕が誰だったのかっていうところ。誰が殺させたのかということが、ミステリーとしては最大に面白い。10本の指では足らないほど、龍馬を殺してもおかしくない人たちっているんですよ。第4部はそこ(暗殺)に向けてのカウントダウンなので、第4部に入ったらもう出てくる人出てくる人すべて動機を持っているというような作りになっていくと思う。(すでに出演しているキャラクターも)いろんな人たちが(黒幕で)ありえる。ほとんどの人たちがあり得るといってもいいかもしれないですね。
!Σ( ̄ロ ̄lll)
なんか、面倒くさいことに首をつっこみますなぁ・・・。
一つ分かることは、この大河のラストは
誰が黒幕だったとしても一部の人しか納得しない
ということですね。
龍馬暗殺は幕末ミステリーの一つです。
暗殺については、実行犯と黒幕との2つに分けられて考えられています。
基本的に、私は実行犯も黒幕も解明不可能だと思っています。
こまごまとした資料は家なので、記憶にある暗殺容疑者について書き連ねていくと・・・。
龍馬暗殺実行後に、一番最初に駆け付けた土佐藩士の谷干城(たにたてき)は、現場の情報をもっとも持っていると思います。
事件後2日間ほど生きていた中岡慎太郎の証言なども聞いています。
しかし、その谷からして怪しい。
例えば谷の情報は「事件直後」の証言と京都見廻組の「今井信郎の自白を受けてかなり経ってから」の反論とがあり時系列に疑問が浮かびます。
何年も放置していての突然の反論・・・。
また、谷干城は犯人を新選組と主張していて、大石鍬次郎(斬首)や近藤勇(斬首)の厳罰に大きな役割を果たしています。(同じく実行犯と疑われた原田左之助は戊辰戦争で死んだとも行方不明とも、)
有力な証言者がトチンカンな動きをしているのです。
というわけで、事件を証言する側の土佐藩自体が黒幕や実行犯説があります。
龍馬は、生前に紀州藩といろは丸事件という海難事故をおこしてしまうのですが、賠償金として紀州藩から支払われた約8万両は龍馬暗殺後に、何故か土佐藩に支払いされてます。
また、暗殺の舞台となった近江屋は、京都土佐藩邸から100mほどしか離れておらず、普通に考えればたいへんリスクが高い。
一つの可能性として、暗殺者が土佐藩からの了承を受けていたと考えることも可能です。
そうすると谷証言の背景には政治的意図があると疑われても仕方なく、犯人を新選組として処罰を急いだのも政治的事情と言われても仕方ないのかもしれません。
土佐藩の黒幕として、後藤象二郎や板垣退助、岩崎弥太郎などがあげられています。
いろは丸事件で賠償金を出した紀州藩にも暗殺の動機はあります。
残された海援隊士たちは陸奥陽之助を中心に、暗殺を企てた疑いのある紀州藩士三浦休太郎を襲撃し、護衛にあたっていた新選組と斬り合いになったりもしています。
一介の脱藩浪士に紀州藩が大金を弁償するというのはメンツにかかわるというこからの犯行という説です。
しかし、学会では佐々木只三郎を中心とした京都見廻組ということで落ち着いているようです。
あまりにも見廻組が地味なんで他に犯人捜しをしたいというのが実情なのかもしれません。
見廻組は佐々木が鳥羽伏見で戦死したことを筆頭に暗殺実行犯中の実行犯がことごとく戊辰戦争で戦死してしまい、生き残った今井信郎や渡辺篤の証言の食い違いが目立つことなどが信憑性を落としている理由です。
実行犯については、新選組から分かれた伊東甲子太郎(かしたろう)ら御陵衛士が幕府方から薩摩に寝返るの土産に龍馬を暗殺したという説もありますが、御陵衛士らは龍馬暗殺の数日後にほとんどの人物が油小路事件で殺されてしまったので不明。
また、中岡慎太郎説などもあります。(笑)
龍馬との意見の食い違いによる激論によって斬り合ったとか、暗殺者をてびきした(慎太郎は暗かったための手違い)とか、にわかには信じがたい。
ただし、龍馬は幕府から見れば政治犯なわけで、逃亡生活も長い。
刺客とかには敏感なはずなのに気がつかなかったのは、激論をしていたからというのは、可能性があると思います。
ただ、暗殺を検証するものを読むと、龍馬は北辰一刀流の使い手だから、手練れのものではないと暗殺が不可能という記述をよく見ます。
これに関しては、私の意見ですが、
1.北辰一刀流の長刀(なぎなた)の免許皆伝なので、龍馬の剣術の実力には疑問。
2.寺田屋の遭難によって、とくに左手に後遺症があり、剣術の実力は並か並以下になったという説がある。(手を懐に入れている写真は、それが理由とも)
3.中岡慎太郎は全身に大量に刀傷を受けていて、しかもそれのどれもが致命傷ではないことから、少なくとも中岡を襲った者たちは手練れじゃない。
なんてことを考えると、あまり手練れではないものも含まれている京都見廻組説でも、言われるほど無理ではないと思います。
しかし、京都見廻組ではあまりにも地味なので、龍馬暗殺については黒幕説がついてまわります。
黒幕で有力なのが薩摩藩。
主戦倒幕派の薩摩藩が、大政奉還によって戦争回避を狙っていた龍馬の利害関係が崩れたというのが、黒幕となる主な理由です。
主導したのは西郷隆盛とも、暗殺に実績にある大久保利通とも言われていますが、個人的には伊地知正治クラスの独断ということなら可能性はあると思います。
西郷・大久保クラスなら、大政奉還が成立してしまった以上は対立点が消滅しているわけなので、暗殺を企てる意味があまりない。
今井信郎を西郷が、渡辺篤を薩摩藩出身有力者?が後ろ盾によって、新政府の職に就かせていることなども、薩摩藩黒幕を補強しています。
新選組の実行犯とされた大石や指令者とされた近藤が斬首なのに対して、自白をしているのにもかかわらずの職の斡旋は確かに差がありすぎです。
NHK的には、主戦派と戦争回避派の対立が落としやすいためか、薩摩藩黒幕説による龍馬暗殺が続いています。
同じ理由で長州藩黒幕説もあることはあります。
ただし、このとき長州藩を引っ張っていたのは、闘病中の高杉ではなく木戸孝允(桂小五郎)です。
武士というよりも政治家といえる桂小五郎ならという意見もあるようですが、暗殺と桂小五郎の組み合わせは違和感が残ります。
これも、薩摩と同じように、伊藤博文や井上馨らの暴走なら、これもアリかもしれないとは思います。
伊藤や井上は、暗殺者としての実績もあるので、疑われるのは仕方ないかもしれません。
意外とベタで面白くないけど鉄板なのが幕府黒幕説。
黒幕も何も、龍馬は政治犯なわけです。
しかも、寺田屋の遭難の際には捕り方2名を殺している、つまりお尋ね者だったわけでもあるのです。
しかし、幕府側が大政奉還・鳥羽伏見の戦いから続く戊辰戦争と突入してしまうため、重要な人物が死んだり資料が紛失したりしていることも確定できない要因です。
また、ここで話がややこしくなるのが、幕府を黒幕としたとしても「暗殺を指示」したのか「殺人犯・政治犯の捕縛」を命じたのかも不明な点です。
細かな話なので、もうそこらへんは放っておいて、幕府方の黒幕と言われている人を列記しても、徳川慶喜(15代将軍)・松平容保(かたもり)(会津藩主・京都守護職)・榎本武揚(たけあき)(慶喜側近)(勝海舟記述)・永井尚志(なおむね)(慶喜側近)・手代木(てじろぎ)直右衛門(松平容保側近)・有力諸侯?(松平春嶽記述)…、などキリがありません。
さらにさらにややこしいのが、徳川慶喜・松平容保・永井尚志などは、龍馬保護を指示していたとも言われています。
混乱期の為政者と役人の意志疎通にも問題があったようですし、仕方ないことですが記録自体も混乱しているとしかいいようがありません。
その他に、岩倉具視などによる朝廷説や武器商人グラバー・外交官パークスやアーネスト・サトウなどのイギリス説・フリーメイソン陰謀説などもあります。
これに、さらにAとBの共謀説なんかもありますので、もう組み合わせは無限大…。
今井信郎や渡辺篤だけでなく、近江屋新助などもわざと混乱を深めることを目的としたのではないかと思えるほどの証言の混乱が見られ、つまりは嘘つきが多いことも龍馬暗殺者の確定を困難にしているのです。
嘘をつく理由は、売名行為や単純にリップサービスだったり、または政治的配慮などもあるのかもしれません。
いちおうむらさき色を容疑者にして見ましたが、これでも大雑把に書いたものなので、珍妙なものまで合わせればまだまだ出てきます。(爆)
探偵が多すぎて、事件を複雑にしているのかもしれません。
私も、昔はそれぞれの登場人物の時系列やそのときの地位、その後の地位などに注目してのニワカ探偵になったりしたのですが、「分かるわけ無い」という結論しか出てきませんでした。(爆)
話は最初に戻りますが、龍馬伝第4部は「全員悪人」とかのダークな画面にならないことを祈りたいです。
でも、やるなら徹底的なミステリーに仕立てて欲しいものです。
岩崎弥太郎(明治の)、後藤象二郎、西郷隆盛、グラバーあたりはすでにかなりブラックな雰囲気なので、やるなら悪人祭を希望!
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