班目委員長 注水中断の検証を
5月23日 17時45分
東京電力福島第一原子力発電所1号機で、地震発生の翌日に原子炉を冷やすための海水の注水を1時間近く中断していたことを巡って、国の原子力安全委員会の班目春樹委員長は「原子炉に悪い影響を与えたことは確かで、注水を止めた経緯を徹底的に調べてもらいたい」と述べ、注水を中断した影響や経緯を検証すべきだという考えを示しました。
この問題は、福島第一原発1号機で、地震が起きた翌日の3月12日に、東京電力が原子炉を冷やすための海水の注入を55分間中断したもので、政府と東京電力で作る統合対策室は、総理大臣官邸で再臨界の可能性を検討していたことを受け、東京電力が自主的に注入を中断したとしています。これについて、原子力安全委員会の班目委員長は、23日に開かれた安全委員会の記者会見で、「核燃料から大量の熱が出ていたあの段階では、急がなければならないのは燃料の冷却で、再臨界を検討するために注水を止めることは考えられない」と述べました。そのうえで、注水を中断した影響について「詳しい調査をしないと分からないが、悪い方向に行くことは確かだ。東京電力が本当に自主的に止めたのか、誰が判断したのか徹底的に調べてもらいたい」と述べ、注水を中断したことの原子炉への影響や、中断に至った経緯を検証すべきだという考えを示しました。