福井・原発周辺、文献に大津波の記録も
福島第一原発の事故を受け、関西電力が進める原発の安全対策の見直しについて、原発がある福井県・若狭湾周辺の住民らから、過去の文献も参考とするよう望む声が上がっている。
同湾では16世紀に大津波が起きたとの記録が文献にあるが、関電は同湾周辺で大津波の記録はないと自治体などに説明している。
若狭湾岸では14基の原発が稼働し、関電はこのうち11基を運転。関電は、若狭湾の津波想定を0・74メートル~1・86メートルとし、今回、この見直しを含めた安全対策のための調査を計画している。
ただ、福島第一原発事故後の3月18日に、関電美浜原発がある福井県美浜町議会に配った資料では「日本海側には巨大な津波の原因となる海溝型プレート境界はなく、文献では過去に若狭湾周辺で津波による大きな被害記録はない」などとしている。
外岡慎一郎・敦賀短大教授(日本中世史)によると、1586年の天正地震で若狭湾岸で大津波が起きたとされ、京都・吉田神社の神主が著した文献には丹後、若狭、越前の海岸沿いで多数の死者が出たとの記述がある。
(2011年5月26日22時46分 読売新聞)
文献無視「津波なし」 関電 若狭湾住民に調査を検討
関西電力が、原子力発電所11基を有する福井県の若狭湾で、約400年前に地震による津波があったとの文献の存在を知りながら、津波の記述がない他の文書を重視し、住民には「過去に津波被害はない」と説明していたことが26日、分かった。関電は「過去に津波があったかボーリング調査などを含め検討する」としている。
文献は吉田神社(京都市左京区)の神主が記した日記「兼見卿記(かねみきょうき)」と、当時日本に滞在していたポルトガルの宣教師ルイス・フロイスの「日本史」。いずれも長浜城倒壊など近畿、東海、北陸で広範囲に被害が出た1586(天正13)年の天正大地震について、若狭湾が波に覆われ、多くの家が流されて人々が死亡したと記す。
国の指針で、原発建設時には過去の地震や津波の調査が義務付けられている。関電は30年前に両文献を把握していたが、天正大地震時の津波の記述がない「日本被害地震総覧」「日本被害津波総覧」を重視し、文献は信ぴょう性がないと判断。ホームページでも「文献などからも若狭湾周辺で津波による大きな被害記録はない」としていた。
〔京都新聞〕
実際に起こったことを隠してまでして原発を推進しようとする姿勢には恐ろしいものを感じます。
建ててしまえばこっちのもの?
住民なんかバカや烏合の衆?
どっちにしても、舐めているとしか思えませんね。
御用学者じゃない人にボーリング調査をしてもらえば、あらかた分かることで、バレれば信頼を失うだけなのに。
それにしても、京都新聞はいい仕事をしていますね。
さすが歴史の街という記事です。
ただ、天正地震の震源地はたしか岐阜だったはず。
関連性とボーリング調査を待ちたいですね。