原子炉建屋カバー部材搬入へ
7月6日 4時37分
東京電力福島第一原子力発電所では、放射性物質の放出を抑えるため原子炉建屋を覆うカバーの設置工事が進められていて、あらかじめ別の場所で作った部材を運び込む作業が6日から始まります。
福島第一原発では、爆発で壊れた1号機と3号機、それに4号機の原子炉建屋をすっぽりと覆うカバーが順次、設置される計画で、このうち1号機ではすでに工事が始まっています。原発から50キロ余り離れた福島県いわき市の小名浜港では、カバーを支える土台や柱、それにはりなどを62の部材に組み立てる作業が行われていて、6日は、このうちコンクリートの土台が小名浜港から原発専用の港に船で到着し、荷揚げされることになっています。今月中旬からは部材の搬入が本格化する見通しで、東京電力は、長さ140メートルのアームを備える国内最大級のクレーンで部材を組み立てて、ことし9月下旬の完成を目指すことにしています。原子炉建屋からの放射性物質の放出を抑えることは、事故の収束に向けて残されている課題の1つで、東京電力は、今月中をめどに現在の放出量を試算し、カバーを設置したあとに数値を比較して効果を確かめる方針です。
3号機窒素注入へ作業環境確かめる 福島第1原発
2011.7.6 05:00
東京電力は5日、福島第1原発3号機の格納容器への窒素注入に向け、原子炉建屋内の放射線量を計測して作業環境を確かめる準備を続けた。
窒素注入は万一の水素爆発を防ぐ目的で、事故収束に向けた主要工程の一つ。建屋1階の床には3日から鉄板を敷き、地下の汚染水からとみられる放射線を遮る工夫をしている。6日にもロボットで放射線量を調べる。
1号機では放射性物質の飛散を防ぐ原子炉建屋カバーを建設中。支柱を支える基礎部分を設置し、近く福島県いわき市の施設からコンクリート製の土台を運び込む。
一方、汚染水を浄化して炉心に入れる循環注水冷却は、配管の総延長が4キロに及ぶなど安定稼働に課題も。東電は最終的に1~3号機の建屋ごとに循環注水冷却を実現することを目指しており、松本純一原子力・立地本部長代理は「来年の春から夏にかけて切り替えを目指す」と話した。
東京電力やJNNのライブカメラを見ていると、かなり巨大なクレーンが1号機横に映りこむようになりました。
発表当初は「菅の思いつき」とか「隠蔽」などと言われていましたが、今となっては心待ちになっています。
いろいろとカバーについては問題点も指摘されていますし効果の程も疑問視されていますが、放射線物質の拡散が少しでも防げるのではと期待したいです。
それに、あの瓦礫のような建物から水蒸気が放出され続けている画像が流れ続ける限り、日本の貿易、とくに工業製品はガタガタになってしまうので、見た目だけでも良くなるのは日本経済のためには良いかもしれません。
ただ、カバーを掛けられてしまうと、日本人も原発事故は収束したと勘違いをする人も増えそうで、そちらも不安を感じます。
3号機などはあの状態を保って負の世界遺産として登録して欲しいくらい。