宮城県知事「全頭検査やるべきだ」
2011.7.21 15:22
宮城県の村井嘉浩知事は21日の県議会「大震災対策調査特別委員会」で、放射性セシウムを含む同県産の稲わらが肉用牛に与えられた問題を受け「県内の肉用牛の全頭検査をやるべきだと思っている」と述べた。
ただ「県内の検査機関だけでは足りない。県外の機関にも応援を要請中だ」とも述べ、現時点では実施時期の見通しは立っていないと説明した。
県は、原発事故後に稲わらを与えた肉用牛の出荷自粛を県内農家に要請している。村井知事は委員会後、記者団に「強制力で出荷を停止し、その補償は国が責任を持つのが望ましい」と述べ、国に県内肉牛の出荷停止指示を出すよう求めていく意向を示した。
村井知事は、農作物の測定を「風評被害が生じる」としてやらなかった人だ。
宮城県は、最初の一手から間違えていた。
測定をする、高い数値が出る。
それにより、もっと宮城県民に注意力を働かせることができたハズです。
農作物を売るという目先の金にとらわれて、宮城の被害を拡大させた責任はこの人が大きい。
ツイッターを眺めていても、「人様に食べさせるものは作れない」と農業を辞める人、家業を閉じる人、初期の段階では自殺をした人もいました。
私は、そういう人たちの作ったものを食べたいですよ。
宮城県のセシウム汚染牛の発端は、誠意ある畜産家の方が自らワラを測定し、高濃度の汚染があったことを申告したことから始まっています。
この方を責める声もあるようですが、この方が居なければ、最初の南相馬の畜産家の方だけが汚染牛を出荷したことになって有耶無耶になっていたかもしれない。
政府は、やぶ蛇な出来事にびっくりしたことだと思う。
村井知事の姿勢は、この一面だけを見れば正しいことをやっているかのようだけど、斜めに見れば「あ~あ、バレちまった。じゃあ全頭検査を要請するか。」といっているように見える。
ついでに書くけれど、これは大手スーパーも同じ。
人道的見地を優先しての「福島応援セール」や「被災地復興セール」は、セシウム牛の問題が発覚して一気に縮小されています。
こんなことが起こるのは、ちょっと想像力を働かせれば分かり切ったことでしょう。
安く野菜が手に入り、ほぼ通常価格で売るのだから利益は大きかったのかもしれません。
販売農家の卸値は1/10に下がっていたそうですから、濡れ手に粟だったでしょう。
一度振りかざした「復興支援」の看板を下げるタイミングを失っていただけかもしれません。
それにしても、
安全だと強弁して、危険と分かった方がダメージは大きい!
最初から危険なものとして扱っていれば、いまさら「全頭検査」などという不利益な状態は生まれなかったはずです。
何度も書いています。
ボイコットこそが、本当の原発被害者を救う道だと思いますよ。
数値も出そろってない。
データもほとんど無い。
そんな状態で「安全」を語るものは詐欺師。
「安全の可能性がある」くらいに思っていないとダメだと思う。