「悪いのは東電」謝罪する牛肥育農家に仲間が声
「消費者にも近隣にも、みんなに迷惑をかけてしまった。コメもダメ、野菜もダメ。今度は牛もダメって一体どうすればいいんだ。ここにいる牛、みんなダメなんか」。
出荷した肉用牛から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された、福島県南相馬市原町区の肥育農家の男性(69)はそう言って、丸まると太った150頭の牛を見渡した。男性の妻は涙を浮かべて謝罪の言葉を繰り返した。
男性によると、牛に与えていた餌には、昨年10月に収穫し乾燥させた稲わらのほか、輸入した乾燥わら、配合飼料などを利用。屋根付きの牛舎は、牛が雨にぬれにくく、体表を調べた出荷前のスクリーニング検査では、どの牛からも放射性物質は検出されなかった。牛に飲ませている地下8~10メートルの井戸水が問題なのか。でも、「この辺の住民はみんな飲んでいる。どうすればいいんだ」。
放射性セシウムが検出されたことを知り、近所の肥育農家約10人が朝から男性宅に集まった。「申し訳ない」と頭を下げる男性に仲間が声をかけた。「あんたが悪いんじゃない。悪いのは東京電力だ」
(2011年7月10日13時32分 読売新聞)
まだ断定はできませんが、やっぱり水が問題となってくるようですね。
群馬大の早川由起夫教授のツイートをフォローしているのですが、この人の思考というのが自分と似ていて嬉しくなります。
しかも、この人は仕事が早い。
鮎の汚染までは私も拾えたのですが、教授は何歩も先に進んでいます。
【 南相馬市新田川|食品の放射能検査データ 】
【 早川由紀夫の火山ブログ 南相馬市を流れる川 】
さっさと所在地を特定し、川の汚染と繋げてしまっています。
本人たちは井戸水と思っていても、それは伏流水だったりする場合もあるので厄介です。
記事を見る限り、エサに関してはそれなりに気を遣っていたようなので、水を疑うしかないでしょう。
さらに問題があるのが、これを人も飲んでいるということですね。
農家の尿なども調べる必要があるでしょう。
しかし、農家に関しての公表はほとんど無し。
晒し者になるという考え方もあるかもしれませんが、隠したままだと同じ地区の同業者の方々も一括りにされますし、南相馬の同業者の方々も一括りにされてしまいます。
同じ条件なら、他に牛も厳しいことにはなるのでしょうが、汚染が進んでいるという現実を受け止めるには、何を捨てて何を拾うのかを統一しないと、どんどんとそれこそ「風評被害」が広がるばかりだと思います。