Yahoo!ショッピングで米袋も売っている! - コメの話1 つづきです
原発事故があって間もない頃の3月末から4月頭にかけて、食べられる野菜が無くて困りました。
産地に注意して、工場で作られるモヤシやスプラウトなどを食べましたが、やっぱり葉物がないと寂しい。
原発事故の前からチェルノブイリ関連のサイトはいくつかブックマークしてあったのですが、その中でベラルーシに暮らす日本人のブログもありました。
そこには、ベラルーシの食事事情なども書いてあるのですが、どうやらキャベツが汚染されにくそうということで、伊豆産のキャベツなどを途中から買っていたのですが・・・調べてみると予想外に汚染されやすいらしい。
ベラルーシとは土が違うんですね。
土が違えば、同じタネでも違うものが育つ例はいっぱいあります。
ブドウの木や野沢菜など。
そこで思ったのが、日本のコメです。
ベラルーシでコメを育てているとも思えませんし、他の作物でさえそのまま流用できないのにコメは全くの未体験ゾーンに突入することになります。
田が5000Bq未満というのも信じられないので、コツコツと情報を集め、コメの備蓄を決断したわけです。
備蓄したのはコメだけではありません。
塩・味噌・醤油・酒(調理用)。
塩は今後も汚染が予測できる海水、味噌・醤油・酒はコメやムギで造られますので、早いもので冬には汚染された可能性のものが流通するかもしれません。
ただ、幸いにこのようなデータもあるのです。
【 原発事故関連情報(1):放射性核種(セシウム)の土壌-作物(特に水稲)系での動きに関する基礎的知見│事務局より│お知らせ│社団法人 日本土壌肥料学会 】
一部を引用します。
4.土壌から作物へのセシウムの移行
Csの作物への吸収経路は、大気から作物体に沈着し吸収される葉面吸収と、一度土壌に降下したのち根を通じて吸収される経根吸収がある。ここでは、長期的な観点から後者の経根吸収されるCsに関する知見を整理した。
土壌-作物間のCsの移行は、作物の種類、土壌の性質によって大きく異なる(IAEA, 2010)。土壌に添加されたCsは、上述のように土壌の粘土鉱物等に強く結合される。したがって、水溶性の部分は時間の経過とともに減少する。一方、作物は土壌溶液中の養分を主に吸収するので、作物が吸収するCs量も、土壌へのCs降下後の経過日数とともに減少することが知られている。例えば牧草栽培実験では、Cs添加直後に播種した場合よりも、数ヶ月後に播種した場合の方が牧草中Cs濃度は低かった(武田ら, 2009)。
日本各地の観測圃場で採取された米のCs-137濃度は、1966年以降減少傾向を示している(駒村ら, 2006)。また、土壌から白米への移行係数(白米1 kg当たりの放射能濃度/土壌1 kg当たりの放射能濃度の比)は0.00021~0.012で、土壌中のK濃度が高いほどCs-137の作物への移行が少ない傾向にあるとの報告もある(Tsukadaら, 2002a)。施用資材によっても移行係数は変化し、通常のNPK三要素を施肥した場合に比べK肥料を無施用で高くなり、堆肥施用で減少するとの報告がある(津村ら, 1984)。
5.吸収されたセシウムのイネ体内での存在割合
Cs-137とKはイネ体内では比較的類似した挙動を示す。作物に吸収されたCs総量のうち玄米に移行した割合は12~20%(津村ら1984)である。糠部分で白米より高い濃度にあることが知られており(Tsukadaら, 2002b)、白米のCs-137濃度は玄米に比べ30~50%程度低い(駒村ら, 2006)。
可食部へのCsの移行が少ない場合であっても、稲ワラ等の非可食部の処理をどうするかは重要な問題である。例えば、イネの場合、白米とそれ以外の部位のCs存在比率は7 : 93との報告がある(Tsukadaら, 2002b)。非可食部の家畜への給与、堆肥化、鋤込み、焼却等の処理により再び放射性Csが食物連鎖を通じて畜産品に移行し、あるいは農地に還元される等の可能性がある。第一義的には放射性Csの吸収抑制対策の確立が重要であるが、非可食部の処理についても考えておく必要がある。
>土壌から白米への移行係数(白米1 kg当たりの放射能濃度/土壌1 kg当たりの放射能濃度の比)は0.00021~0.012
これは、世界中で核実験をしていた頃のデータを元にしているので、必ずしも当てはまるとは言えませんが、かなり参考になると思います。
このことから言えることは2点。
土壌からコメへは、政府が思っている(0.1)よりセシウムは吸収されない。
さらに、あまり吸収されないということは、田の汚染は長く続くということです。
コメを刈り取ったら、移行しやすい植物を植える必要があるでしょう。
>白米のCs-137濃度は玄米に比べ30~50%程度低い
これはなかなか面倒くさいです。
コメを長期保存する場合には、玄米の方が良いのです。
収穫したお米は、良心的な農家は備蓄用の冷蔵庫を持っていて玄米で保存し、出荷するときに白米にしているようです。
また、玄米食の方が、放射線物質を身体から排出しやすいというデータもあるのです。
なのに、玄米を食べる方が危険だとデータは示しています。
それともう一つ。
玄米を精米するときに、糠が出ます。
日本人はマメな民族なので、この糠を使って「ぬか漬け」を作ったり、キノコを育てているようです。
ぬか漬けは、水溶性のセシウムを軽減させて、乳酸菌によってからだが守れる放射能と戦うための優良な食品です。
自然に生えたキノコは放射線物質を吸収しやすくてかなり危険ですが、工場で作られる限りは産地を選べば安全。
キノコはデトックス食です。
つまり、糠も産地を選ばなければ、危険な食品を作ってしまう可能性があるということです。
かなりシンドイですね。
>イネの場合、白米とそれ以外の部位のCs存在比率は7 : 93との報告がある
土壌から白米への移行係数が0.00021~0.012とすると、それ以外(藁など)には0.0028~0.16。
藁で焼いたカツオのたたきは、藁の産地を選ばないと危険ですな。(苦笑)
ともかく、高濃度に汚染された地域での藁は、飼料に当てるのが無理なのはもちろん、藁草履や藁靴や荒縄さえ作れない。
しかも、気軽に燃やすこともできません。(仮に土壌が5000Bqの汚染なら最高で800Bq)
京都に行ってつくづくと思うのが、例えばコーヒーミルクを買おうとすると、丹沢山麓も京都も「神奈川県海老名市」、豆乳を買おうと思っても「千葉県」…。
流通というのは恐ろしいです。
おそらく、福島県で汚染されたセシウム米が収穫されたとき、高濃度に汚染されたコメは市場の安定を図るスケープゴートに処分されるかもしれませんが、低濃度に汚染されたものは市場に流通されてしまうのでしょう。
しかも、巧妙に銘柄を変えて。
これはカビ毒米で実証済み。
複雑な流通経路を通ることによって、量の少ないカビ毒米でさえ最後はウヤムヤになったのですから、こんな大量のコメはどうしようもない。
流通に抵抗するには、今から不買運動をするしかないと思う。
中途半端に売れてしまうから、補償もされないのです。
大騒ぎをして買わないことが、原発被害者ではない私たちの身を守る方法ですし、騒ぎが大きければ大きいほど、福島を始めとした原発被害者のみなさんへの補償は早まるでしょうし、金額も大きくなると思います。
国家のためにも、働き盛りの私たちが病で倒れるわけにはいかないのです。
何度も書きますが、補償はどんどんするべきです。
国債を発行してでもするべきです。
汚染物質を拡散させないことが、日本の生き残る道です。
まともなところはまともな状態で残しておかないと、貿易まで死にます。
貿易が死ねば、日本は終わりです。
安っぽいヒューマニズムにとらわれている場合ではないと思います。
一揆や暴動を起こしてでも食い止めないと。