簡易検査、規制値の半分で出荷認める 肉牛セシウム汚染問題
2011/7/30 0:35
肉牛のセシウム汚染問題で、厚生労働省は29日、都道府県が簡易測定器による全頭検査を行う場合は、暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)の半分に当たる250ベクレル未満なら出荷を認め、
250ベクレル以上で精密検査に回し規制値を超えていないかを判断する新たな検査基準を決めた。同日、都道府県に通知した。
各自治体は独自に全頭検査方針を打ち出しており、統一的な基準を示し混乱を防ぐ狙い。
簡易測定器は「シンチレーション検出器」と呼ばれる機器。1検体の検査に1時間以上かかる精密測定器(ゲルマニウム半導体検出器)に比べ、15~30分でおおよその放射線量が分かる。また、全国に162台しかない精密測定器に比べ台数確保も見込める。
ただ簡易測定器はメーカーによって放射線の測定精度が異なるため、同省はメーカーごとの正確な
測定方法も通知した。
厚労省と農林水産省は現在、自治体が機器を導入するための財政支援も検討中。精密測定器は1台2千万円以上のため、高くても数百万円の簡易測定器が中心になる見込みで、3次補正予算などで必要な費用を計上する。
(2011/7/30 0:35)