放射性ヨウ素 完全除去ノー 浄水器過信は禁物

放射性ヨウ素　完全除去ノー　浄水器過信は禁物
2011年8月2日 夕刊

「浄水器で放射性物質を完全除去」の広告に根拠なし－。水道水に混じった放射性ヨウ素を除去するために、適量の塩素と粉末活性炭を使っても、最大で５０％程度しか除去できないことが東京都水質センター（文京区）などの実験で初めて分かった。「完全除去」をうたう家庭用浄水器も販売されているが、根拠がないとして都は行政指導に乗り出している。

同センターは、福島第一原発事故の影響で、三月二十二日に金町浄水場で、乳児の暫定規制値（一リットル当たり一〇〇ベクレル）を超える二一〇ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたことを受け、実験を始めた。

まず、非放射性のヨウ素を原水に加え、徐々に粉末活性炭を増やしていき、通常の汚濁除去で使う八倍の一リットル中四十ミリグラムを入れても、６％程度しか除去できなかった。

そこで、原水のにおいがひどい場合など、沈殿処理の前に微量の塩素を入れる「前弱塩素処理」という浄水手段を併用。原水一リットル中に〇・五ミリグラムの塩素を入れ、粉末活性炭を加えていくと、活性炭四十ミリグラムで６０％程度の非放射性のヨウ素を除去できた。

その上で、一キログラム当たり五七ベクレルの放射性ヨウ素を含む原水で実験。前弱塩素処理の後、活性炭を入れていくと、除去率は徐々に上がり、通常の六倍の三十ミリグラムで５０％程度を除去できた。それ以上、活性炭を加えても除去率はほぼ横ばいだった。

同センターの北沢弘美所長によると、ヨウ素は水中でヨウ化物イオンなどに変化するが、一リットル中〇・五ミリグラム程度の塩素で、次亜ヨウ素酸となり有機物と反応して活性炭に吸着しやすくなると考えられるという。過剰に塩素を加えると、ヨウ素酸イオンになり活性炭では吸着できなくなる。

東京都はこれまでに、「水道水の放射性物質が完全除去できる」などとうたい、インターネット通販で浄水器を販売した三十一業者を景品表示法に抵触する可能性があるとして行政処分している。

すっかり毎日がサバイバル状態ですが、水とコメがアウトになるとこんなに大変になるものかと、改めて思い知りました。
山屋の常識としては１日２リットルなんですが、日常生活の中ではトイレ１回でもそれ以上を簡単に使ってしまいます。

３月にも浄水器のことは調べましたが、現在ではかなり高額な浄水器ではある程度効果が望めるのと、普通の浄水器でもある程度のランクのものなら理論的には浄化できるとの回答のようです。
もっとも、使用済みの浄水器のフィルターにガイガーカウンターをあてても反応が無いので浄化されていないという意見もあります。
そもそも、日本では各核種の浄化についての規定がないのですから仕方ありません。
早く法整備を望みたいです。