鉢呂経産相が辞任=放射能発言などで引責-野田政権に打撃、臨時代理に藤村氏
鉢呂吉雄経済産業相は10日夜、東京・赤坂の衆院議員宿舎で野田佳彦首相と会い、東京電力福島第1原発事故をめぐる自身の不適切な言動の責任を取って辞表を提出し、受理された。臨時国会の召集を13日に控え、首相は混乱を早期に収拾する必要があると判断した。しかし「福島の再生なくして日本の再生はない」として原発事故収束を政権の最優先課題に掲げた首相にとって、原子力行政を所管する経産相の辞任は大きな打撃だ。野党は鉢呂氏を任命した首相の責任も追及する構えで、2日に発足した野田政権は出だしからつまずいた。
鉢呂氏の辞任を受け、政府は10日夜の持ち回り閣議で、経産相臨時代理に藤村修官房長官を充てることを決めた。首相は後任人事の調整を急ぐが、天皇陛下が公務で北海道を訪問していることから、次期経産相の認証式は12日以降となる。
鉢呂氏は辞表提出後、経済産業省で記者会見し、「一連の発言で国民の皆さん、とりわけ福島県民の皆さんに多大の不信の念を抱かせ、心からおわび申し上げる」と陳謝した。
同氏は8日、福島第1原発を視察。帰京後に記者に「放射能を付けたぞ」という趣旨の発言をした。また、9日の記者会見では第1原発周辺を「死の町」と表現し、被災地の強い反発を招いた。
このため、10日午後に自らの発言について陳謝した上で、「(閣僚として)一生懸命頑張っていきたい」と続投に意欲を示していた。しかし、野党が更迭を強く要求。民主党内からも「国会審議は持たない」(中堅)などと辞任を求める声が強まっていた。
(2011/09/10-23:43)
〔時事〕
結局、辞めてしまいましたが、やっとそれっぽい流れを見つけました。
@568568568: 記者「大臣(作業服)着替えてないんですか」⇒大臣「今福島から戻ったばかりだ、そんな暇ないよ」⇒記者「じゃ福島の放射能ついたままですか」⇒大臣やや怒って、一歩近づいて「それがどうした? 放射能つけてやろうか?」
まあ、本当なのか分かりませんけど。
しかし、この流れで出たのなら、嵌められたとしか言えません。
ペンは個人的な感情で振るっても剣より強い。
ワイドショーなどでは、こんな流れを知らずに(無視?)番組を作っているので、放射能発言は「冗談」扱いされていて、なお可哀想ですね。
ちなみに、その時の記者は毎日新聞だそうですが、毎日の記事は叩き潰す気が満々ですね。
鉢呂経産相辞任:「当然の結果だ」 深まる政治不信
2011年9月10日 22時11分 更新:9月10日 23時45分
福島第1原発事故を巡って失言を重ねた鉢呂吉雄経済産業相が10日、あっけなく辞任に追い込まれた。「辞任で済む問題ではない」「痛みの分かる大臣を」。震災半年を前に起きた辞任騒動に、各地で失望と怒りの声が上がる。「泥臭い政治」で復興に取り組むと誓った野田政権は、発足からわずか1週間余りで大きくつまずいた。
「辞任はしょうがない」。夫と離れ、京都市に9歳と1歳の子供2人と避難している福島市の主婦、佐藤美由起さん(36)は「放射能がうつるかのような表現で、子供たちがいじめに遭うかもしれないと心配している」と話した。福島県田村市で「みやこ旅館」を経営する吉田幸弘さん(55)は「永田町では『放射能がうつる』とか、その程度の認識がまん延しているんじゃないかと悲しくなった。次の大臣は国会議員でなくても痛みの分かる地元の人がいい」と望んだ。
放射性セシウムに汚染された稲わらが見つかった宮城県登米市で肥育農家を営む佐野和夫さん(58)は「あまりにも資質に欠ける発言で辞任は当然。7月以降は牛をほとんど出荷できず収入はゼロで、われわれは放射能の恐ろしさを日々感じている。本気で取り組まなければ解決できるはずがない」と厳しい口調で話した。
被爆地からも怒りの声が上がった。13歳の時に被爆した広島市の画家、原広司さん(80)は「原爆が落とされた後、被爆者が『放射能がうつる』と侮辱されたことがあった。辞任で済む問題ではなく、66年もたっているのにそういう考え方があることに憤りを感じる」と話した。
一方で、辞任は不要との意見もある。原発事故で警戒区域や計画的避難区域に指定されている福島県浪江町から福島市内の仮設住宅に移った農業の男性(63)は「原発周辺が『死の町』になっているのは事実で辞める程の言動ではなかったと思う。政界はいつも揚げ足取りばかりでうんざり」と嘆いた。
鉢呂氏の地元・北海道では落胆の声が聞かれた。鉢呂氏は首相と会談した直後、「ご迷惑をかけて申し訳なかった」と複数の民主党道議に電話してきた。地元道議らが「辞める必要はないのではないか」と励ましたが、「首相に迷惑をかけることはできないので、潔く辞任した」などと、さばさばした様子だったという。小樽市の山本文雄・連合後援会会長は「彼は元々、原発に反対だった。辞任は残念」と話した。
◇福島県知事「遺憾」
佐藤雄平・福島県知事は「『福島の再生なくして日本の再生なし』との新政権の姿勢に期待していただけに極めて遺憾に思う。事故の収束や風評被害対策等に全力を挙げなければならないこの時期に、とりわけ経済産業相という重要閣僚のこのような言動は言語道断であり、辞任は当然の結果と受け止めている」とコメントした。
◇舞い上がり型失言
元民主党事務局長の伊藤惇夫さんの話 かつての自民党の閣僚の失言は、思想信条による確信犯的な発言が多かったが、民主党の場合は、自分が権力の中枢にいる自覚を欠いた舞い上がり型の単純な失言が目立つ。元々が「権力成り金」のようなものだから、大臣の発言の重みがわからず、浮かれてしまう。
◇自覚のなさを示す
前宮城県知事で慶応大教授の浅野史郎さんの話 本来はこの時期の職務の重要性を考えれば、身の引き締まる思いになるはずで、こうした発言がそもそも出てくるはずがない。大臣としての自覚のなさを示しており、辞任は当然だ。それを見抜けなかった野田首相も不明を恥じるべきだ。早期に辞めたのが不幸中の幸いとも言える。
〔毎日新聞〕