震災後初、電気料値下げ…北海道、北陸、四国、沖縄電力
11月分 東電は値上げ
電力10社と都市ガス大手4社は29日、11月分の電気・ガス料金を発表した。算定基準となる6~8月分の原油価格が下落したため、北海道、北陸、四国、沖縄電力の4社は値下げする。
値下げは東日本大震災後で初めて。北海道、四国電力の値下げは10か月ぶりで、北陸、沖縄電力は9か月ぶりだ。
一方、LNG(液化天然ガス)火力発電への依存度が高い東京、関西電力など6社と、ガス4社はLNG価格の上昇を反映して値上げする。
東電など5社の値上げは9か月連続で、中部電力とガス3社は8か月連続。西部ガスは10月1日に値下げするが、11月分は値上がりする。東電の11月の家庭の平均月額は6892円で、値上がりが始まる前の2月と比べ658円高くなる。
財務省の貿易統計をもとに算出した6~8月平均のLNG輸入価格は1トンあたり6万4746円で、5~7月平均より約5%上昇。一方6~8月平均の原油輸入価格は1キロ・リットルあたり5万7240円で約3%下落した。11月分の電気料金を下げる北電など3社はLNGを使っておらず、LNGを使っている四国電力も料金算定には含めていない。
その他の電力会社では、福島第一原発の事故後、LNG火力発電の稼働率を高めており、LNG需要が急増している。貿易統計によると、8月のLNG輸入量は754万5000トンで7月より約18%増えた。LNG価格の上昇は、電力各社がスポット(小口取引)調達を増やしたことも一因だ。9月下旬のアジア向けのLNGスポット価格は、100万BTU(英国式熱量単位)あたり17ドルとなり、3月下旬の9ドルから2倍近くまで上昇している。
(2011年9月30日 読売新聞)