原発「維持」が半数 玄海町民100人アンケート
2011年10月31日更新
佐賀新聞社は玄海原子力発電所が立地する東松浦郡玄海町の町民100人に、原発に関するアンケートを行った。玄海原発を今後どうすべきかは「現状維持」が48人で最も多く、「将来的に廃止」が33人で続いた。福島第1原発事故以降、原発に対する考えが変わった人は6割に上り、「推進」が69人から17人に減少する一方、「慎重」が27人から65人に急増した。原発慎重論が増大する中で、原発維持は半数に及んだ。原発の安全面への不安が広がる一方、雇用や財政で依存している現実を考慮するという、原発を抱える住民の複雑な心情が浮かび上がった。
アンケートは10月上旬、対面方式で行った。
玄海原発の今後については「現状維持」48人、「将来的に廃止」33人、「さらに増やす」と「今すぐ廃止」が2人ずつで、「分からない」が15人だった。
福島原発事故後に原発に対する考えが変わったかどうかは、59人が「変わった」とした。内訳は「推進から慎重」45人、「推進から反対」と「慎重から反対」がそれぞれ7人。「変わらなかった」40人の内訳は「推進」17人、「慎重」20人、「反対」3人だった。事故前と事故後の変化は「推進」が69人から17人に減り、「慎重」は27人から65人に、「反対」は3人から17人に増えた。
原発依存度が高い町の今後の方向性については「今のまま原発があることを前提に」が33人、「当面は原発依存だが、依存度を下げるべき」53人、「原発依存をできるだけ早くやめる」が13人だった。
原発立地自治体への国の交付金や電力会社の事業への寄付などの“原発マネー”については「あっていい」が67人で最も多く、「分からない」22人、「なくていい」8人だった。「暮らしの中で原発マネーを実感する」かどうかは、「実感しない」45人、「実感する」41人、「分からない」13人だった。
全体を分析すると、福島第1原発の事故後、原発慎重派が急増し、激減した推進派を逆転して過半数を占める一方で、今後の原発や原発に依存している町の方向性は「当面は現状のまま」という考えが多い。事故への不安や安全性向上を求めながらも、「多くの人が原発絡みで生計を立てている現実をどうするか」などの思いも交錯。町の複雑な事情を反映した結果になっている。
あの爆発を見てもなおそんなものか…。
距離があるだけに、身近なものとは感じられないのでしょう。
しかし、これから国家が背負っていかなければならないものを考えると、他人事ではないんですけどね。
原発作業員の確保の問題。
原発収束の問題。
税の問題。
それをこれから抱え続けなければならないのに。