福島第1原発:廃炉「工程達成確約できず」--原子力委部会長
内閣府原子力委員会の中長期措置検討専門部会は28日、東京電力福島第1原発の廃炉完了には30年以上(2042年以降)を要するとの報告書を公表した。使用済み核燃料プール内の燃料は15年以降、原子炉内の溶融燃料は22年以降の回収を目指す。部会長の山名元・京都大原子炉実験所教授は「現在は炉心内の核燃料を視認できず、工程達成は確約できない」と述べた。
廃炉には「汚染源」の核燃料をすべて回収することが前提となる。報告書では、(1)原子炉建屋内の除染(2)格納容器の損傷部分の特定・修復(3)格納容器内を水で満たす「冠水(水棺)」(4)溶融燃料の取り出し--の4段階で進めるとした。
年内に原子炉の「冷温停止状態」を達成し、早ければ来年から着手する。高線量下の遠隔操作などの技術開発や技術者の育成の必要性なども盛り込んだ。【比嘉洋】
毎日新聞 2011年10月29日 東京朝刊
通常、廃炉に導くためには、燃料を取り出したあと、再び蓋を閉じて燃料棒なしに原子炉を通常通りに動かし続けなければならない。
炉が放射化しているので、水漬けにして染料が下がってからの作業になるわけですね。
それだけで何十年の作業です。
ところが、ふくいちはその水漬けにする前に抜かなければならない燃料が抜けない。
どこにあり、どんな事になっているかも分からない核燃料を、「抜くための技術開発を今からする」などと言っている始末ですので、まずそこをクリアーしなければならない。
また、炉に穴が開いているのは分かっていても、その状況が分からないし、中は高線量。
線量が下がってから確認をする必要があるのでしょうが、先日も再臨界(結局は自発的核分裂)かと騒がれていたくらいですので、かなり時間が掛かるでしょう。
再臨界と自発的核分裂の違いは、中性子線の問題で、もちろん、出ているほうが問題があるので出てないことにしたのでしょう。
話を戻しますが、そういうわけで工程達成は確約できないという発言はかなり現実的に思います。
だいたい、あと30年ももたせられるとも思えない。