福島第1原発:1~4号機の廃炉まで30年以上
東京電力福島第1原発1~4号機の廃炉措置について、内閣府原子力委員会がまとめた報告書案が26日、分かった。使用済み核燃料プール内の燃料は2015年以降、原子炉内の溶融燃料は22年以降、取り出し作業を始め、廃炉終了には「30年以上を要する」との長期見通しを初めて盛り込んだ。報告書案は、28日に開かれる原子力委の中長期措置検討専門部会で了承される見通し。
第1原発では、炉心溶融した1~3号機の原子炉内に計1496本、1~4号機の使用済み核燃料プール内には3108本の燃料集合体が残っている。廃炉実現のためにはこれらを回収し、長期間にわたって安定的に冷却・保管する必要がある。
報告書案によると、廃炉措置は原子炉の「冷温停止状態」を年内に達成したうえで、早ければ来年からスタートする。原子炉内の溶融燃料回収のため、原子炉建屋内をロボットなどで除染したうえで、格納容器の損傷部分を修復。さらに、放射線を遮蔽(しゃへい)するために格納容器全体を水で満たす「冠水(水棺)」作業を実施し、22年以降から燃料回収を始める。
一方、プール内の燃料は比較的損傷が少ないが、2号機を除いて水素爆発で原子炉建屋が大きく壊れ、取り出すための既設のクレーンが使用できない。このため、新たにクレーンを設置し、4号機近くにある一時貯蔵施設「共用プール」を整備したうえで、15年以降の回収を目指している。
報告書案では、すべての燃料回収までに約20年かかった米国のスリーマイル島原発事故(79年)の経緯を踏まえたうえで、「廃炉措置が終了するまでには少なくとも30年以上の期間を要する」と推定。早期の廃炉実現のためには、(1)海外専門家の助言を積極的に得る(2)計画が不調な場合は臨機応変に対応する(3)実際の現場作業に必要な研究や開発を優先する(4)国内の技術者の育成につなげる--の四つの基本方針を示した。福島原発では4基の廃炉措置を同時並列で進める必要があり、スリーマイル事故や旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(86年)と比較しても、きわめて困難な作業となることが予想される。このため、報告書案は「官民挙げたオールジャパン体制で進める必要がある」と強調。そのうえで、来春に発足する「原子力安全庁」とともに、廃炉の進捗(しんちょく)状況をチェックする第三者機関の設置の必要性も初めて盛り込んだ。
毎日新聞 2011年10月27日 2時30分
浜岡原発:1号機、損傷燃料搬出できず 1本だけ引き取り手なく17年 /静岡 - 取り出せないらしい
前に書いた記事ですが、原発というのはたった1本の燃料棒でこの始末なのです。
管理された健全な炉の中でのたった1本で、日本の技術はお手上げ。
とりあえず、3つの破損した炉、4つの燃料プール、1つの供用プールでの危機は大きな地震一つで危機的状況に陥ることになるのは避けれないでしょう。
原子炉の上に巨大な船を乗っけたような状況の燃料プールは、バランスも悪く、いつひっくり返るかも分からないのに、それを5・6号機でさえ取り出すことも出来ないことを考えると、5・6号機も怪しいものです。
しかし、上の記事には6000本以上が収められている供用プールに触れていないのは卑怯です。
当初10年と言っていたものが、やっぱり30年。
ということは、やっぱり100年くらい掛かるのでしょう。
原発のめんどくさいところは、誰も責任を取ることもなく、延々と税金がつぎ込まれ続けること。
「もんじゅ」しかり、「常陽」しかり、「六ヶ所再処理工場」しかり。
今回の原発事故も、誰も責任を取るものも無く、東電に言われるがままに税金がつぎ込まれ、除染や瓦礫処理でさえ東伝の子会社が請け負うという見事な焼け太り。
この国は、ここまで無法が通っていいのでしょうか?