風評被害 福島をこれ以上悲しませるな(10月9日付・読売社説)
大阪府河内長野市の架橋工事で、福島県郡山市の建設会社が製造した橋桁を使うことに、地元住民から放射能汚染への不安の声が上がった。発注元の府は工事を中断した。
6日の参院復興特別委員会で、自民党の岩城光英氏がこの問題を取り上げて、「悲しい話だ」と述べた。同じ思いを抱いた人は多かっただろう。
野田首相は、科学的知見に基づく安全性の周知徹底を約束し、「万全を期す」とした。
建設会社が検査業者を通じ橋桁表面の放射線量を測定したところ、年間許容被曝(ひばく)量の上限を下回る数値だったという。
大阪府の橋下徹知事は、「現状では(安全性に)問題ない」と住民に説明不足をわびた。
だが、なぜ中断を決める前に、検査を実施しなかったのか。府には、福島の人たちから「なぜ中断するのか」との抗議もあった。
震災から半年以上も経過してなお、風評被害がやまない。
復興支援のつもりの行事が、逆に被災地の人たちを傷つける出来事も全国で相次いだ。
「京都五山送り火」で8月、岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松を使った薪(まき)を燃やす計画が、二転三転し中止になった。
愛知県日進市の花火大会では9月、福島県川俣町の花火が愛知県産と差し替えられた。
福島の農産物支援ショップを計画した福岡市の市民グループは、放射能汚染を心配する住民らの苦情で、計画を断念した。
住民には、放射能への不安があるのだろう。必要なのは、不信感を払拭する見識と努力である。
それには、事前に専門家の知見を借りて、科学的なデータをそろえるなどの準備が要る。
実際、陸前高田市の松については、千葉県の成田山新勝寺が、専門機関に依頼し、放射性物質が検出されなかった結果を受けたうえで、護摩木祈願を行った。こうした対応は参考となろう。
大切なのは、住民に対し、丁寧な説明を心がけることだ。
支援しようとする被災地とも密接に連絡を取り合い、きちんと打ち合わせをする。こうしたことも疎(おろそ)かにはできない。
行政や主催者の善意の迷走は、風評被害の上塗りとなる。被災地の心情に配慮し、長く支援を続けていく姿勢が求められよう。
県外避難した子どもたちの、いわれなき差別も明らかになっている。福島の人たちを、これ以上悲しませてはならない。
(2011年10月9日01時21分 読売新聞)
なにを高い位置からキレイごとを言ってるんだか。
まずは、タイトルの「風評被害」というタイトルを下ろせ。
>科学的なデータ
なんて言われたって、国民は肌や嗅覚で政府発表の欺瞞を感じているから騒いでいるのだろう。
出鱈目な暫定規制値がまかり通っている状態で、政府が科学的データを冷静な目で見れないようにしている。
「風評被害」が「実害」になるのか?
それが我が身や家族に降り掛かってくるのではないか?
そう思ったときに、「Mr.ただちに」の枝野でさえ、将来への影響を問われたらトーンダウンをしているくらいの未知の領域です。
原発事故に対しては、隠蔽に次ぐ隠蔽で、信頼できる科学的データなんか無い。
しかし、ここだけは同意できる。
>支援しようとする被災地とも密接に連絡を取り合い、きちんと打ち合わせをする
打ち合わせをして、止めなさい。
何が起こるのかなんて、ほとんどわからないんだから。