九電、佐賀県の意向考慮せず
2011年11月02日
「(県の)理解を得られたかについては分かりかねる」。九州電力が玄海原発4号機の運転再開を発表した1日、県庁で記者会見した九電佐賀支社の担当者は、言葉に詰まりながら答えた。「県民不在」の九電の性急な運転再開表明を受け、県や玄海町は終日、対応に追われた。
この日午前11時に九電の山元春義副社長が玄海町の岸本英雄町長を訪問。運転再開に理解を求めると、岸本町長は容認する姿勢を示した。一方、古川康知事は出張先の宮崎市内のホテルで何度も報道陣に囲まれたが、「国の考えを確認したい」と述べるにとどめた。
県では1日、古谷宏くらし環境本部長や県原子力安全対策課の今村盛史課長らが朝から副知事室にこもり、夕方まで運転再開に対する国の考えの確認作業などに追われた。
午後5時20分には急きょ、古谷宏本部長が九電佐賀支社の大坪潔晴支社長を県庁に呼び、「常に緊張感を持って再発防止対策に万全を期してほしい」という申し入れを行った。同45分すぎには、古川知事が報道陣の取材に応じ、4号機の再稼働を容認する姿勢を示した。
同午後7時半からは、九電佐賀支社の松川清孝・玄海原子力担当課長、木庭樹美博・同課長が会見した。運転再開前に地元の理解が得られたか否かの認識について質問が集中。「玄海町民に全戸チラシを配布した」「大きな反対があったとは聞いていない」として町ではある程度の理解が得られたとの認識を示した。
これは一つのターニングポイントになるでしょうね。
町長や県知事が寝返ることは織り込み済みの行動なのでしょう。
動かしたあとにも抗議を続けなければ、抗議なんてしていないも同然。
やらせ問題も含めて、九電と知事・町長はズブズブなんですが、町民・県民はたいした抗議もしないだろうというナメきった読みがあるからこんなことが出来るのでしょう。
だからこそ、「町ではある程度の理解が得られた」なんてことが言えるのでしょう。
これを雛形としてしまえば、これから先の各地で原発稼動が可能になる。
原発が立地されている市町村長や道県知事はとりあえず反対しておけばいい。
電力会社はチラシを配ればいい。
どんなに反対運動があっても、ある程度の理解が得られたって言ってれば、いつでも原発は稼動できる。
これほど悪辣なことがあるのだろうか。
官僚はやりたい放題になってないか?