核分裂反応の疑いで冷温停止に「黄信号」 福島第1原発2号機
2011.11.2 11:26
福島第1原発2号機で2日、核分裂反応が起きている可能性が判明した。これまで東京電力や経済産業省原子力安全・保安院は「原子炉の状態は安定している」とし、年内の「冷温停止状態」の達成を目指していたが、事故発生から7カ月以上が経過してもなお、安定とはいえない状況にあることが明らかになったことで、達成には「黄信号」がともりそうだ。
今回検出されたのは、キセノン133と、キセノン135。九州大の工藤和彦特任教授(原子力工学)は「半減期が短い核種なので、燃料のウランが核分裂して、最近発生したものと考えられる」と話す。
工藤教授によると、原子炉圧力容器や格納容器内にある放射性物質から出た放射線がウランにあたることで中性子が発生。その中性子がウランにあたり、局所的に核分裂反応が起きたと考えられるという。
ホウ酸水注入により連続的に核分裂が起きる再臨界は防げるとみられるが、年内に原子炉を「冷温停止」状態にさせ、事故収束に向けた工程表のステップ2を前倒し達成することを目指してきた政府・東電が、計画の再検討を迫られる可能性すら出てきている。
さらに、事故後、2号機核燃料は冷却水が減少して露出、外側の格納容器に漏れたとみられており、本来の形状をとどめていない燃料全てが冷却水が浸され、確実に冷やせているかどうかは把握仕切れていない。
こうした状況に、工藤教授は今後も中性子の量を測定することが必要と指摘。その上で、政府と東電が目指す冷温停止状態について、「通常の原子炉ならば、キセノンのような放射性物質が外に出ることはない。このような状態で冷温停止を宣言して安心だとアピールすることは拙速だ」と指摘している。
国民は、悪い意味ですっかり放射能慣れしてしまって、大して大騒ぎにもなりませんでしたね。
キセノンは、ヨーロッパではセシウム・ヨウ素に並んでのチェック物質です。
ドイツやノルウェーの放射性物質の拡散予測ではキセノンの予測もされていたのですが、マスコミがヨウ素とセシウムばかりを騒いでいたので、大して話題にもなりませんでした。
日本の雰囲気として、半減期が短いものは軽く扱われ、半減期の長いものは寮が少なかったり、または情報が少ないために、結局はヨウ素とセシウムばかりになってしまっています。
しかし、半減期が短いということは、短期間に活発に活動するということで「安全」というわけでは絶対にないのです。
人体への破壊力が強い。
結局は、自発的核分裂ということで言いくるめられてしまいました。
そうしないと、再臨界ともなれば中性子線が出ていることになってしまい、鉄もコンクリートもどんどん分解されてしまうことになり、反原発の人たちが騒ぎますからね。
燃料がどこに行ったのかもわからない状態なので、たびたび出ているのでしょうし、再臨界が起こっていても不思議ではありません。
データは東電が持ってくるものであり、何とでもできるという疑いは捨てるべきではないでしょう。
たびたび紹介していますが、高崎ではときどきヨウ素・セシウムの検出が多く出ているときがあります。
注意をしておくに越した事は無いでしょう。