今回は涙目祭りでしたね。
清盛も涙目、鳥羽院も涙目。
今回は清盛がケッチョンケッチョンに突き落とされるわけですが、近年の大河では無かっただけに安心しました。
見ているものが訳も分からないのに、「この子は凄い」「面白い」とか言ってアゲまくる脚本はウンザリ。
去年の「江」にいたっては、その凄さをいつ見せてくれるのかと思っているうちに終わってしまいましたからね。
まあ、追っかけていきましょう。
アバン。
わずかな時間なんだけど、あれなら要らないだろ。
3回目なのに、いまだに柱かって気分です。
視聴率が低迷しているそうなので「前回のおさらい」が必要なのかもしれませんが、それだったらちょっと前までやっていたような「時代解説」の方が馴染みの薄い時代だけに良いのではなかったでしょうか。
そろそろアバンの頼朝・政子は舞台を変えて欲しいところです。
まずは弟の平次の元服。
家盛と名を改め「兄上様にも見せたかった」ということから、風来坊となっている兄上登場。
毎度おなじみの暴れん坊場面です。
歴史的にもありえないドタバタエピが必要なのか?と思わせるところなのですが、必要でした。
これを入れることによって、今回のメインである清盛の挫折が描かれるわけです。
もう一つに、血の繋がっていない(ストーリー上)清盛を嫡子とすることに対する平家の家族内・郎党内の軋轢が描かれているわけです。
なかなか気がつきづらいと思いますが、反清盛である伊藤忠清が、清盛が海賊と間違えられて捕縛されたことを報告に来るところなどが憎いなぁと思います。
だって、郎党である伊藤忠清の家人が捕まえたのに検非違使に送られるわけが無いだろう。
平家内の微妙な空気を表しているのでしょう。
もう一つおもうのが、未熟な清盛が「民が民が」と連呼するところが、このあと無様に突き落とされる清盛とともに「民」を大義名分にキレイ事ばかり描いてきた近年の大河をもいっしょに突き落としたようで痛快でした。
国松、時松、蝉松の三人の命との引き換えに京都に戻ることにされ、ハンコーキの清盛はグレグレ。
ここで、ライバル登場。
元服した源義朝と出会うわけですが、このようなライバルが存在することも大河では久しぶりです。
玉木義朝は・・・これも今後に期待しましょう。
場面変わって朝廷。
これから保元の乱に突っ走るためにも、朝廷の空気を伝えるのは重要ですね。
噛ませ犬役の為義さんが、息子義朝の就職活動をするわけですが噛ませ犬なので相手にされません。
帰り掛けに忠盛父ちゃんとすれ違うところで嫌味一発。
「また寄進に来たのか?」
この大河では、平家の地位が上がっていることなどが分かりづらいのですが「正四位下」の位になっていることなどなども含めて、平家はそこそこ儲かっているのです。
歴史的に見ても清盛の出世は異様に早く、それが根拠に白河院のご落胤説があるわけですが、忠盛の財力というものも見落とすことはできないのです。
清盛の忠盛への反抗は、それだけ一気に財力を高める成り上がり者への反発とも捉えることができるのですが、この大河ではあまり描かれていませんね。
忠盛に対し、鳥羽院は忠義を疑う理由として清盛の存在をあげます。
そこに、烏帽子親である藤原家成が北面の武士への登用を願い出て、清盛の就職問題が勃発。
髪の毛を伸ばしてギターを弾いて世界平和を訴えるんだ~という清盛に対して、年齢という現実問題が迫ってくるわけです。
再び朝廷場面。
源平ものでは避けて通れない後の西行となる佐藤義清登場。
藤木直人さんですが、徳川慶喜の頃と比べると落ち着いた雰囲気ですね。
ここからが短いですが、今回の見所。
璋子が帝(崇徳天皇)への扱いに文句を言いにきます。
鳥羽院のヘタな言い訳に対して、金麦砲発射。
「愛しくないのですか」
「わが種ではないものを愛しく思えというのか!」
「上皇様もお爺さまの子ではありませんか?叔父様の子供ですから叔父子と思ったらいかがですか?」
金麦砲着弾!
近年まれに見る、朝廷のドロドロっぷりをサラッと言ってしまっています。
矢野君の涙目&血管浮きまくりと、合間に挿入される堀川局(りょう)が空気の緊迫感を増しています。
それでも金麦(璋子が辞書に無いから面倒)は空気が読めない。
そりゃ保元の乱もおこるわけだ。
見所かつ重要な場面でしたね。
怒り狂って御所を離れる鳥羽院は、噛ませ犬為朝との約束をすっぽかします。
義朝も堪えきれず、よせばいいのにライバル清盛はどうなったかと聞いてしまいます。
「採用は清盛。」
さすらにクールな玉木君も血管を浮き立たせてしまいます。
ここで場面一転。
飛ばしましたが、清盛はその直前に市で双六に勝ち、市の人たちになにやら持ちかけています。
ボロボロになっている門の全貌が出てきますが、やっと構造が分かりました。
その市の人たちが、検非違使たちを襲撃します。
あれは竜馬伝の寺田屋事件でも使われた「コーンスターチ弾」。(笑)
どさくさにまぎれて、おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松を救います。
作戦成功で意気揚々として、「おそ松君ファミリーを連れてまた民を救いに行ける。」「北面の武士なんかクソ食らえ」といい気になっているところで、就職を断られたライバル義朝君が食って掛かります。
まあ、北面の武士はエリートなんですけどね。
でも技量の落ちるSP?
SPとは違い、気に入られれば地位が上がって昇殿が叶ったりもするわけですが、どうなんでしょう。
清盛の言うとおりに「王家の犬」なわけですから。
それでも面白くない義朝君は、清盛と話してみて思想が甘々なことを悟ります。
「一人で生きている」と主張する清盛に対して、「アマちゃんの御曹司」と罵倒。
畳み込むように、可愛いおそ松ファミリーが検非違使たちに追い詰められ、通りがかった院の一行の佐藤義清に捕らえられてしまいます。
鱸丸に押さえられて救い出すことができませんでした。
場面変わって平家の館。
清盛との関わりの隠蔽を図ることから、おそ松君ファミリーはここで終了なのでしょう。
「オレが責めを負う」と主張する清盛に対して、「関わり合うな」と忠盛は言い放つ。
清盛弱っています。
「おそ松君ファミリーと民を救っていた」と主張する清盛に対し、「お前らが退治した海賊たちが徒党を組んで村を襲った」と言い放つ。
「お前は浅知恵だ」
「お前が村を襲わせた」
「お前は賊と同じだ」
「お前の知らないところで平家一門がお前を守っている」
と一気に畳み掛けます。
清盛玉砕。
それでも「一人だけ助かるわけには行かない」と主張するのに対して、反清盛の忠正は「縁を切れ」と迫るわけですが、「清盛は平家に必要だ」と忠盛は許さない。
それでも忠正は、「義姉の立場も考えろ」と食い下がります。
ここでも、乱れた血筋の暴露があるわけです。
しかし、宗子は自分の子供だといい、家盛は兄として父上に従って欲しいと願います。
乱れた血筋の暴露によって、乱への火種が撒かれる朝廷と、一族の結束への種が撒かれる平家。
良い対比だと思います。
グチャグチャになった気持ちを義朝にぶつけ、比べ馬で競争することにするのですが、ここでも清盛は負け。
一馬身、二馬身と離されて、最後は落馬でプライドはズタズタ。
しかし、ライバルは相手を救ったりもするわけですね。
「武士が王家を守ってやっている」と発想の転換を言い、清盛覚醒。
長い髪を切り、ギターを捨て、宮勤めをする覚悟をするわけです。
前回、まだキャラ立ちが弱い朝廷でしたが、璋子と鳥羽院は凄かったなぁ。
2回戦・3回戦と期待したいですが、没落してっちゃうんだよなぁ。
ここまできても正体不明なのが堀川局のりょう。
キャラをあえて立てないのに期待してしまう女優さんというのも珍しいですね。
もう一つキャラ立ちがはっきりしてきたのが、叔父に当たる忠正。
この人も基本的に噛ませ犬の役割になるので、保元の悲劇を盛り上げるためにも頑張ってほしいですね。
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